4本目は迷ったのだけれど、シベリア抑留での実話ということで視聴することにした。
当然だが私が見ないようにしている戦闘シーンがあったし、ソ連兵から人間扱いされないという様子や、人種差別的言辞を見ていると、今のウクライナ情勢の「ロシア=悪」のプロパガンダと重なるんじゃないかとチラッと気になった。(実際はソ連侵攻より前に決まった計画に従って製作された。)
山本幡男さんの、他者を想う心は別れた家族を想う心と連動しているからこそぶれない。貴重な記録だと思う。
二宮和也の少し童顔で小柄な感じがますます効果的だ。彼をめぐる男たちの「男性ホルモン度」高めの雰囲気と好対照。4人ともなんとなく似ているし。
最初は、先に観た3本がみな救いのない話だったので、ああ、締めのこの映画がまた悲惨なものかと後悔したのだけれど、ほんとうに山本さんの不屈の優しさと希望に、観ている方も救われる。
死んで埋められる捕虜がアウシュヴィッツの収容者のようにまるで骸骨みたいなのがリアルで、その割には生存者が元気そうなのに違和感がないでもないが、その分、演技は力強く迫力がある。
戦後20年以上もジャングルの奥地などに身を隠していた日本兵らが姿を表して話題になった時、私は大学生だった。
彼らもまた戦争の犠牲者だったが、戦後に生きてきた「暴力」は異質だった。
歴史の証言としても、人間性の可能性について考えることでも貴重な映画だった。
実在した黒犬のエピソードも感動的。犬ってこうやって、信頼や愛を受けとめる。飼い主やみんなを喜ばせようと必死にもなる。健気だ。
「健気」、残念だけど猫には荷が重い。