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L'art de croire             竹下節子ブログ

ノートルダム・ド・ラ・サレット その1

グルノーブルからタクシーでラ・サレットへ。
夜の蝋燭行列も見たいからサレットで一泊したかったのだけれど、いわゆるホテルがない。聖地全体をサレット修道会が管理していて、巡礼者用の大きな施設があって、そこに、大部屋ゾーンと小部屋のゾーンがある。
ルルドはもちろん、ポンマンやファティマとも違って、要するにアルプスの山の中なので、アクセスが限られている。巡礼者を対象にした巡礼土産物屋やホテルやレストランなどが周囲にできていくということがない。

たとえばルルドなら、ご出現に立ち会った少女は地元の少女だったから、今巡礼に行けばそのベルナデットが当時住んでいた村の中の家なども巡礼ルートに入っている。
でも、ラ・サレットのご出現を見た二人は、どちらも、サレットの村の出身ではない。ラ・ミュールの出身で14歳のメラニーは、夏の間いろいろなところで羊飼いや牛の放牧という季節労働に奉公していた。11歳のマクシマンはコールの出身でその日たまたまメラニーと組んで牛の放牧を請け負っていた。

そもそも、サレットの村と言っても、拠点となるラ・サレット・ファラヴォーという村は、聖母出現地とはるか離れている。タクシーでも延々と登っていくのだ。歩いて登れば数時間かかりそうだ。ポンマンのように親の家からすぐ、村の中心部でのご出現でなく、ルルドやファティマのように予告付きで何度もご出現が繰り返されて人々が集まるようになったというわけでもない。一度きり。
(順序でいうと、まず1830年のパリの奇跡のメダルのご出現、そしてこのサレット、続いてルルド、その後がポンマン、20世紀に入ってファティマだ。)
子供達も村人たちも洗礼は受けていても、日曜も働き、教会に通うわけでなければ神を敬ったり祈ったりする習慣もなかった。神やイエスと言う言葉は驚きや罵りの表現に使われていたくらいだ。

サレットのご出現はその場所もタイミングもその後の展開も、かなりユニークで、このことはポンマンと比較してじっくりまとめるつもりだ。ここでは写真の覚書。

盆地のグルノーブルを出てどんどん登っていく。聖地は海抜1700m程でそよ風も吹き、快適そのものの天気。(この日のグルノーブルはフランスの都市で一番の最高気温37°を記録したそうだが、アルプスは別世界だった。影に入ると肌寒いくらいだ)
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突然、山に登っていく道を横切る羊の群れに遭遇。ああ、アルプスなんだ、と嬉しくなる。
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他に車を見かけないので、閑散としているんじゃないかと少し心配になったが、聖地への道の標識が現れ、バジリカ聖堂が見えてくる。
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バジリカ聖堂の前に、まず巡礼者センターがある。ここに食堂も、滞在施設も、展示や説明、書店や記念グッズの店、講演や会合の場所、修道会の本部など全部そろっている。巡礼グループのバスも停まっていて、たくさんの人が来ているのだと分かった。
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サレットの聖母は座って泣いているところ、立って涙を流しながら子供たちにお告げするところ、そして昇天するところという3シーンがある。このセンターの入り口で迎えるのは、立っている聖母。
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バジリカ聖堂でのミサは終わったばかりだったが、数分間オルガン演奏を聴くことができた。
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天井のイエスはちょっと強面だが、お告げには、みなが回心(日曜日には働かないでミサに出ること、神の名を罵詈雑言に使わないことなど)しないとイエスの鉄槌(とは言わないが、怒りの徴)が下るので、私がなんとかとりなすのが最後のチャンスですよ(とも言わないが、まあそうとも解釈できる)とあるので、この顔を見て心を引き締めるのかなあ。
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下にあるのは、1846/9/19に聖母が腰かけて泣いていたという石の一部。
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お告げの聖母のチャペルにはびっしりと感謝の奉納版があった。
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十字架のイエスの右には手足を釘うった金づち、左にはその釘を抜いたペンチ。
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食事の予約をしてから聖堂の外に出て、山の中腹にあるチャペルに上る。その前に十字架の道があって、ご出現の場所に合わせた記念像がある。
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着いた。
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被昇天のチャペルと呼ばれるこの聖堂はバジリカ聖堂が建てられる前に最初に作られたものが移転されたもの。
ご出現が1846年、聖堂は1853年、バジリカ聖堂は1865年完成。
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(続く)













by mariastella | 2023-08-25 00:05 | 宗教
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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