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L'art de croire             竹下節子ブログ

ノートルダム・ド・ラ・サレット  その3 (付記あり)

サレットの「奇跡の水」を自由に飲んだり汲んだりできるところ。
聖母の指示で湧き出たるるとの泉と違って、この場所には元から泉があったが、雪解けの季節か大雨の後にしか湧いていなかった。ところが聖母が出現した後、雨もない9月だったのに、水が湧き、それ以来一度も涸れることなく湧き続けている。聖母出現のうわさを聞いてやってきた人が、偶然この水を飲んで「奇跡的」に治癒したことから有名になり、それ以来、「奇跡」の治癒例と感謝とが続いている。
アルプスの天然水だからもとより飲料水だ。後ろに見える「ご出現」の場所から少し離れている。
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冷たくておいしいのでその場でも飲んだし、ペットボトルにも詰め、売店で買った容器にもお土産用に詰めた。
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人もちらほらだし、なんというか、ルルドの水に比べてハードルが低い。ルルドで水浴したり水を飲んだり持って帰ったりするのはなにか、特定の治癒を期待しているとか、苦しんでいる人のために持ち帰るとか、奇跡を信じているとかいうことがバックにありそうだけれど、ここでは、さわやかで新鮮なアルプスの湧き水、というだけで気が楽だ。

この「聖地」で面白いのは、聖母が岩の上だとか空に現れたのでなく、普通に坐ったり立ったりしていたので、その場所にピンポイントに銅像を置いて再現できるところだ。まず聖母が泣いている。
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光り輝いていたので、遠くからそれをみた二人の子供は驚く。メラニーは杖を手から放してしまったけれど、マクシマンはちゃんともったままだ。
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子供たちが降りていくと、聖母は立って、数歩先で泊まってお告げを始めた。座っていた場所から話し始めた場所への距離はこのくらいだ。
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その後で聖母が昇天した場所。
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この銅像群を寄付したのは巡礼に来て効験を得たスペインの伯爵で、彼はマクシマンと親しくなり、互いの心臓を同じ場所に奉献している。
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その日の朝が初対面だった2人の「見神者」のその後、証言の違い、性格の違い、教会との関わり、など、突っ込みどころも謎も多いし、19世紀から20世紀にかけてのフランス史、ヨーロッパ史、思想史との関係も含めて、じっくり煮詰めてから書いてみたいと思っている。

それにしても… 息子の死を前に泣く聖母ではなく、「救いようのない人々」のために泣く聖母って…。肩にかけた鎖も重そうだ。
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付記) 上の記事は予定稿として投稿したものだが、今朝、「ちきゅう座」のサイトを見て、こういうものが目に留まった。明日の活動ということなのでリンクしておきます。






by mariastella | 2023-08-27 00:05 | 宗教
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/

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