日本滞在の記録を書いている途中だが、閑話を挿入。
今回の日本滞在は、パレスティナ情勢が緊迫している時だったから、世界情勢のニュースが気になった。でも、相変わらず日本のTVニュースは、男性と女性が並んで立っていて個性が見えないし、天気予報が服装や洗濯物の干し方まで語るくらいにのんびりというか、情勢がよく分からない。情報に特化したチャンネルもない。
いつも見る放送大学も、今回はビジネススクールみたいな番組が多くて閉口した。
フランスなら、軍人、ユダヤ系、アラブ系、フランス語話者の「当事者」がたくさんいて、自分たちの立場を主張するので分かりやすいが、日本ではまさに「対岸の火事」という感じだ。アメリカ経由の報道や、アメリカ国内の反応などは参考になるけれど。
日本の番組表に「激論」というのがあったから見てみたら、激論などではなく、相変わらずアクリル板に隔てられたコメンテーターが順番にコメントしているだけだった。どこが「激論」なのか分からない。
だから、ほぼ毎日、フランスの報道チャンネルのアプリで2,3局をハシゴすることになった。それこそ「激論」の展開で、はっとさせられるようなものもある。
ユダヤ人への攻撃が高まったフランスでは11/11に大規模な反アンチ・セミティズムのデモがあり、それに極右が加わったが大統領は加わらなかったということについてもさまざまな議論がある。大ラビや大イマムも見解を述べる。
極右の政治家が、イスラムは自由・平等・同胞愛のフランス国是に反していると言った。メッカの方を向いて頭を床につけて祈るのは「個人」を捨てる従属だ、ユダヤ教やキリスト教では起立して正面を向いて祈る、と。(五体投地をするチベット密教のことを連想してしまった。)フランスのムスリムは共和国に合わせて譲歩すべきだ、ナポレオンがユダヤ人と協議して共和国精神と合わない部分を譲歩させた上でユダヤ人差別を撤廃したという例も挙げられる。
日本語で読んだのは、いろいろなブログぐらいで、それも英語からの訳のものなどだ。
たとえばこういうの。これを書いた人は戦争ジャーナリストで、親の代からプロテスタント長老派の牧師のようだ。
日本にいたら、反ユダヤ主義もないし、そもそも、ユダヤ人もアラブ人もいわゆる欧米人も、差別されないどころかほとんど区別もされないし、テンションが低い。同じアジア人である中国人や朝鮮、韓国人への偏見の方が多いのだから、「見た目」とはいったいなんだろう。
フランスに関しては、政治とは別に、伝統的にオリエント趣味はあって、反ユダヤ主義も確かにある。日本人の眼から見ると不思議だ。「共和国主義」の徹底があるからこそ、ドレフュスがエリート士官になれた国なのに。ヨーロッパでは、フランスが一番ユダヤ人がたくさんいる。そういえば前にこんな記事を書いた。メモとして貼り付けておく。