キュートアグレッションの闇最近「キュートアグレッション」という言葉を知って驚いた。日本語ではこういうもの。 なぜ驚いたかというと、確かに日本語で赤ちゃんを前にして「まあ、食べちゃいたいくらいかわいい」という表現があるのを知っているし、耳にしたこともあるような気がする。そしてフランス語でもmignon « à croquer »(かじりたいくらいかわいい)という表現がある。 でも、本当にそんなことを感じている人が少なからずいるからこそ、こういう表現ができたのだろう、と分かる。 まったくの比喩だと思っていた。というのは私にはどう考えても、この発想は出てこないからだ。可愛いものを、ふわふわのものを見れば、こわれないようにひたすらそーっと大切に扱う。可愛いものには触れたくなるし、猫の腹にほおずりすることもあるが、そーっとだし、猫も喜んでゴロゴロし出すのを確認してより楽しくなる。 昔、手乗り文鳥が私の手のひらで丸まって足も見えないくらいふわふわと寝入っているのを見て、とにかくできるだけこの状態を続けたい、と思い、この子から獲得している「盲目的信頼」の前で至福を感じていた。 でも、本気で、可愛いものをつぶしたいと思う衝動ってあるらしい。 でも、今、思い返すと、たとえば、きれいな形に整えられたプリンなどを前にすると私など、昔から、出来るだけその形を崩さないように、そっとそっと、対称性を崩さないように食べるのが常なのだけれど、子どもの中には、普通に食べるどころか、まずスプーンでぐちゃぐちゃにしてから食べるという者がいる。私には信じられない食べ方だとはいえ、あまり気にしていなかったけれど、ひょっとしてこれもキュートアグレッションの兆候なのではないだろうか。 日本は特に、今はどんなスイーツでも、「見た目」がかわいすぎる、というものが多い。だからそのかわいらしさをできるだけこわさないように食べ方を私は無意識に工夫してしまう。見た目のかわいらしさをできるだけ長く楽しみたいからだ。でも、キュートアグレッション傾向の人は、「かわいすぎる」スイーツを文字通り「食べて」咀嚼してしまうことに満足をかんじているのかもしれない。 食べ物くらいならもちろん実害はないけれど、これがいじめ、バッシング、DVから性加害に結びつくことがあるとしたら深刻だ。 子供2人を殺した酒鬼薔薇 聖斗事件というのがあったが、その前に猫を殺していたというのを覚えている。 小動物や子供を残酷に殺すなんて、これまで「サディスト」「サイコパス」「鬼畜」みたいに思っていたけれど、その中には、キュートアグレッションがエスカレートしてバランスが崩れたことが犯行の後押しをしたケースもあるのではないだろうか。 いろいろなところで糾弾され始めている「ペドフィリィ=小児性愛」も、たんなる「変態性欲」なのではなく、キュートアグレッションが野放しになって他の環境要因も加わってエスカレートしたものもあるのかもしれない。「脳」の神経やホルモンの問題であり、磁気治療の可能性を語る医師もいるようだ。「よくあること」で放置せずにこれから少し注意して身近な子供たちを観察した方がいいのかも。 フランス語ではカナダのこういう記事が参考になった。先駆研究をした大学として別のところが上がっているるのはなぜだろう。 >>>Ces travaux sont publiés dans Frontiers in Behavioral Neuroscience. C’est ce que conclut une neuropsychologue de l’université de Californie qui a étudié par électrophysiologie la réponse électrique des neurones d’une cinquantaine de participants à qui l’on montrait des images de bébés humains et animaux plus ou moins mignons, et d’animaux adultes.<< >>Selon des études précédentes, ce phénomène étrange pourrait empêcher les gens d’être submergés par l’émotion face à des choses trop mignonnes, ce qui leur ferait perdre le contrôle, voire les rendrait incapables d’agir efficacement (pour protéger un bébé par exemple). Ces résultats confirment cette hypothèse. « Notre étude semble souligner l’idée que l’agressivité est une façon de ʺnous faire redescendreʺ en atténuant notre sentiment d’être submergé », explique Katherine Stavropoulos, précisant qu’il s’agit d’une adaptation évolutive.<<
by mariastella
| 2024-01-07 00:05
| 雑感
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