『イエスがスイスに戻ってきた』読後に考えたこと前回の記事を書いたのは2/24だが、やることがたくさんあったのに、結局、その後、一気読みしてしまった。 どう収拾してどういうオチになるのか知りたかったからだ。 私が最後にスイスに行ったのは1990年代だけれど、この本を読むと俄然リュトリ巡礼をしたくなった。この本にある場所を全部回ってみたいくらいだ。毎週スイスから参加しているバロックバレエの仲間ともこの本の話をしてみたい。 で、書評としては、「一気読み」してしまうほどには面白かったが、幽体離脱を量子物理学で説明するかと思えば、テレパシーやパラレルワールド(地球という場所にあるが時間は共有していない)や、タントリック、チャクラなどのニューエイジ風のエゾテリズムのワードがちりばめられているので、すべての読者に共有できるのか疑問だ。そして何より「イエスの言葉」がテーマでもあるので、日本人が読んだら「キリスト教」カラーなのだと思ってしまうリスクがある。 なるほどと思ったのは、この本で、12人の「使徒」が集められた標高1000メートル近いゼーリスベルクという場所は、1972年から1990年まで、超越瞑想運動の拠点が置かれていたということだった。このニューエイジ運動には、ビートルズ、ジェーン・フォンダ、ジョージ・ルーカス、クリント・イーストウッドなどが傾倒したことでも知られている。 インドが旧イギリス植民地だったことの流れは大きいと思うが、結局、巨大ビジネスになる運命だった。 (上の記事の引用) 1972年に、7つの目標からなる「世界計画」と呼ぶ運動を始めた。(①個人の可能性を十分に開発すること。②行政の成果を高めること。③思考の教育理念を実現すること。④人類を不幸にしているあらゆる行動や犯罪の問題を解決すること。⑤知性ある環境の用い方を最大限に行うこと。⑥個人と家族と社会に充実感をもたらすこと。⑦人類のあらゆる精神的目標を現在の世代において達成すること。)世界計画実行協議会(本部・スイス)が世界中の関連団体の活動をコーディネートし、地球上に3600のTMセンターを建設し、各センターに約100万人と計算し、1000人の教師を置き、一人当たり1000人を担当するように考えた[3]。1972年に、7つの目標からなる「世界計画」と呼ぶ運動を始めた。(①個人の可能性を十分に開発すること。②行政の成果を高めること。③思考の教育理念を実現すること。④人類を不幸にしているあらゆる行動や犯罪の問題を解決すること。⑤知性ある環境の用い方を最大限に行うこと。⑥個人と家族と社会に充実感をもたらすこと。⑦人類のあらゆる精神的目標を現在の世代において達成すること。)世界計画実行協議会(本部・スイス)が世界中の関連団体の活動をコーディネートし、地球上に3600のTMセンターを建設し、各センターに約100万人と計算し、1000人の教師を置き、一人当たり1000人を担当するように考えた[3]。 1972年に、7つの目標からなる「世界計画」と呼ぶ運動を始めた。(①個人の可能性を十分に開発すること。②行政の成果を高めること。③思考の教育理念を実現すること。④人類を不幸にしているあらゆる行動や犯罪の問題を解決すること。⑤知性ある環境の用い方を最大限に行うこと。⑥個人と家族と社会に充実感をもたらすこと。⑦人類のあらゆる精神的目標を現在の世代において達成すること。)世界計画実行協議会(本部・スイス)が世界中の関連団体の活動をコーディネートし、地球上に3600のTMセンターを建設し、各センターに約100万人と計算し、1000人の教師を置き、一人当たり1000人を担当するように考えた。<<この経緯に照らして考えると、この小説での人類救済のプログラムとほぼ一致している。 ただし、エキゾチックなインド思想がビジネスに取り込まれていったことから、この小説では、やはりヨーロッパ文化は、キリスト教思想に回帰して、イエスの再臨を通して、本来の意味の普遍思想を昇華すべきだという路線なのだろう。 確かに、イエスの言葉というのは当時も今も革命的であり、まともに貫けばイエスと同じように「反体制」で粛清されるくらい過激だと分かる。「愛」も「平和」も「勝ち取る」もので、「瞑想」での「自己啓発」などとは対極のものなのだ。 平和を実現している国(3賢者やイエスの住む国)でのイエスやキリスト教などのスタンスは、悪くない。神学的にというより、福音書を公平に見てみると、納得がいく。だからカトリックの司祭の前書きが可能だったのだろう。 でも、2024年のクリスマスから始まるというこの新しい福音プランに、現実性があるかというと…。 エキゾチックな思想がビジネス化しカルト化していく一方で、世界の分断、略奪、破壊がやむことがない現状を見ていると悲観的になる。 後、おもしろいと思ったのは「使徒」としてにエコロジーを支持する若者3人が選ばれているのだが、それぞれフランス語、ドイツ語、イタリア語話者だということだ。そういえば、多言語社会のスイスには英語が含まれていないのだ。 英語が侵食するところはアメリカ式グローバリズムにも侵食されて「救済」もビジネスになる。 もうひとつは、「アガルタ」という「黄泉の国ユートピア」?の政治システムがsynarchieとされているのも興味深い。 シナキズムというのは共同ルール、調和統治、ということなのだけれど、フランス語だとナチス時代のヴィシー政権の含意もあって、エリートによる「影の統治」のイメージもあるから、もし著者がフランス在住のフランス人ジャーナリストだったら、この言葉を使っただろうか、などと考えてしまった。
by mariastella
| 2024-03-25 00:05
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