朝は歩いて表参道の河合楽器で註文していた楽譜入れを取りに行く。
皆から頼まれている五線の修正テープも複数買い、アニメの人気曲の初心者向けアレンジ楽譜も買う。
音楽関係で今回勝ったのはこの2冊。
特に2冊目には驚いた。
私はもうずっとフランスにいるし、フランスバロックやダンス曲を解釈するようになってから何十年も経っているから当然だと思っていたことが、こうい風に書かれると、まったく当然ではなかったのだと思い知らされた。
この中でフランス・バロックのイネガル(同じ長さの音譜二つを等価に弾かずに崩す)奏法がルイジアナを通して、ジャズのスウィング奏法につながるということについては、どこかで書いたことがある。今思いつくのは選書メチエの『フリーメイスン』の第一章のコラムで「アメリカのジャズとフリーメイスン」の部分だ。
とにかくこの『日本のクラシック音楽は歪んでいる』にある論考には全面的に共感するのだが、私は日本で普段の音楽活動をしているわけではないから「歪み」を特に意識したことはない。でも、クラシック音楽にまつわる日本における一種のスノビズムについては、若い頃影響を受けていたし、フランスに住むようになった後では違和感を抱くようになったことは事実だ。
フランスでフルートのクラシックのコンクールの決勝を聴きに行ったことがあるが、「完璧」に弾く日本人奏者は入賞せず、自由にまるで即興のように弾いたフランス人の少年が一位になった。楽譜というのは最低限の情報しか書かれていないし、特にバロック音楽なら作曲者が直接指揮することがよくあるから、楽譜への書き込みは少なくてすむ。楽譜にある情報の再現ではなく、「いかに語るか」というのがメインになるのだ。
三拍子は強、弱、弱でなく、三拍目が重要だというのもバロック・ダンスから解説されているが、これもまさにその通りで、私が普段生徒たちに自然に教えていることと一致している。音楽は音と音の間に存在し、小節の前の拍がすべてを決める。
この日、昼は、前回満員で入れなかった馬糞カフェで食事した。
その後、渋谷まで歩いて東急フードで買い物をして、週末だけ午後3時に開く「夜カフェ」で夜桜パフェなどを食べた。札幌にある夜カフェ専門店「パフェテリア」の渋谷支店ということだ。「夜」がテーマだから照明は暗い。

夜桜パフェとストロベリーパフェ。とにかくいろいろ組み合わせてあって凝っている。それぞれの中身を説明した細かいカードもついている。
風の強い日だったので、「さくら坂」で、残った桜が散る「花吹雪」も楽しめた。
夜はNHKのプロジェクトXで、携帯電話にカメラ機能を持たせたJ-Phoneとシャープによる開発についての記録を視聴した。カメラ付き携帯がいかに画期的だったか、その嚆矢が日本から放たれたのだとあらためて知った。
今やその機能も隔世の感があるほど発展しているし、日本のイノベーション力も停滞しているようで残念だけれど、こういう「舞台裏」を見せてもらうと、感動的で、今や、携帯電話があればカメラやビデオカメラを持つ必要がないくらいの高性能が「普通」になったことに感慨を覚える。