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L'art de croire             竹下節子ブログ

4月の日本の覚書  すき焼きと「星のなる木」

日本滞在の終わり近くに食べた家庭料理は「すき焼き」。肉も野菜も麩も豆腐もこんにゃくも出汁もラーメンも全部セットになっている「ふるさと納税」からのお返し品。
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家庭のすき焼きと言えば、幼い頃はいつも祖父がうちにきては「鍋奉行」をやっていた。外食のすき焼きは、特にフランス人を連れて行った「美々卯」や「末廣」などがなつかしいけれど、子供の頃は必ず祖父といっしょだった。普段は「食堂」のテーブルで食事するが、すき焼きの時は「客間」という座敷だったのも特別感があった。酒やみりんも入れた割り下があって、確かにすき「焼き」というより煮る感じのいわゆる「関東風」だった。そこに「東京ネギ」と呼ばれているものをたっぷり入れた。
祖父は自称「江戸っ子」だったので、何でも関東風だったのだ。(関東大震災で横浜港が使えなくなって神戸港のある神戸に引っ越ししてきた貿易商だった。)
今回は、セットについていた「説明書き」どおりに、まず肉を焼く関西風にしてみた。味は懐かしいままだ。


最後の近所での外食の日は、前にも行った青山の「星のなる木」で、日本を十分に味わえる懐石料理だった。

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「八寸」がとにかく美しい。ミニチュアの竹垣を使った箱庭のようなつくりで、桜型の食器だけでなく、桜の花もあしらっていて、4月ならでは。
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この「八寸」だけでもいろいろな食材が使われている。
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造里は、本鮪に土佐醤油、あおり烏賊には烏賊墨醤油、赤貝には辛子酢味噌。
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焼物が、のどぐろ山菜焼き、酢橘
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温物が、鯛白子茶碗蒸し毛蟹餡掛け銀杏 三つ葉 柚子
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強肴が、
雪降り和牛サーロイン雲丹焼き
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もちろんタケノコご飯。
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そうそう、最終日には、回転していた「ハラカド」をのぞいたが、スイーツなどはあちこちで順番待ちをしていた。ほとんどが若い客。
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フランスでもそうだけれど、日本でも、何を見ても購買欲がわかない。おいしそうなものも、一人では別に何もほしいと思わない。

生徒たちや、トリオ、クインテットの仲間、主治医などへのお土産はいろいろ買うけれど、もうそれで「ショッピング」はおしまい、という感じ。

文房具類は好きだけれど、レジで人が並んでいたりすると、並んでまで買いたいとも思わなくなる。

ずっとはいているアンクルブーツの片足の先がはがれかけていて、雨が降ると水が入ってくる。ボンドを塗っていたがまた染み出した。山などを歩くためのスニーカーなどはかさばるので、持ってこなかった。このブーツは歩きやすいし、見た目も普通なので履いていたのだけれど、さすがにひどいなあ、と思って、近所で靴を買って、ブーツは捨てていこう、と決めたのだけれど、このハラカド、オモカド、ラフォーレ、ABCマートなどのぞいたけれど、イメージしているのがなくて買えなかった。
私のような人は、いわゆるデパートの婦人靴売り場で探すべきだと思うけれど、今回は近くの渋谷や新宿のデパートには行かなかったのだ。
フランスに変えれば近所にもショッピングセンターにもいくらでも靴屋があるからまあいいか、と思って結局同じ靴で帰った。

その靴は、まだ、玄関に置いたままになっている。

この夜、テレビでN響のモーツァルトのバイオリンとヴィオラのコンチェルトを視聴した。私の好きな曲で、しかも、ヴィオラのソリストが、日本人には珍しいくらい、にこにこと楽しそうに演奏するので、それがオーケストラにもバイオリニストにも伝染っている。調べるとN響のヴィオラマスターの村上淳一郎さんだった。
いやあ、大柄な体の雰囲気、日本のオーケストラの男性奏者とは思えないヘアスタイル、全身で幸福感を伝えてくる自然さ、こういう人もいるんだなあ、と嬉しくなった。

今回は同じくTVで角野隼人さんの楽しそうな演奏も視聴したので、ああ、日本のクラシック音楽界にもこういうキャラクターが出てきているんだなあ、と嬉しくなった。どんな曲を演奏しても、究極の目的は聴く人、場を共有する人を「幸せにする」ことだなあとあらためて思う。


(4月の日本の覚書はこれでおしまいです。真生会館の講座に来てくださった方、おみやげをくださった方、出版社の方々、みなさんありがとうございました。)


by mariastella | 2024-05-25 00:05 | グルメ
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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