人気SF作家のアラン・ダマジオが、シリコンバレーを訪れたドキュメンタリーを出版した。
この中で、彼はこの30年でデジタル技術がいかにホモサピエンスを変えてきたかを明らかにしている。
彼のインタビュー記事(La Vie no.4106 より。掲載誌はリベラルカトリックだがダマジオは無神論者である)が興味深かったので、抜粋しながら覚書。
カリフォルニアのアップルの本拠地を視察した後で、アメリカのフランス人作家の拠点であるヴィラ・アルベルティヌに招かれ、IT業界の大物たちと意見を交わした。社会・経済的、人類学的な分析をしながら、魅惑と批判、警戒と観察の中で書かれた。
25年来、ダマジオの小説はテクノロジーをテーマにしている。実際にアップルの本部に行ってみて、その円形の宇宙船のような建物が要塞であるように見えて、世界中の人々のメッセージをうちに抱えながら自分の内部にはアクセスさせないという人間関係の非対称に慄然としたという。
テクノ資本主義は産業資本主義よりも危険である。
GAFAMは、これまでの多国籍企業が持ち得なかった権力を独占している。マレーシアからコロンビアまで、全世界が同じアプリを使っている。新しいスタートアップが生まれてもそれらを買収し独占を固めている。デジタルは我々の生活の中に水のように浸透し、スマートフォンは携帯される全体主義だ。
脳の認知バイアスを利用して機器への依存を生み、あらゆる科学が動員される。
ラスベガスでスロットマシーンに使われる中毒のシステムと同様、脳の報酬系を刺激する条件付けの「スキナー箱」の世界だ。強制されるのではなく自分で自分を操作してしまうのだ。
(ギャンブル依存症も、スマホ依存症もベースは同じなのかと思うと恐ろしくなる。)
(続く)