(前の記事の続きです)
6月11日、30日に迫った下院総選挙についての「下馬評」があちこちで出始めた。
グリュックスマンの社会党は単独ではまだ無理だから結局、左派連合を形成。メランションの極左も入っているが、「メランション」自身は排除するというイメージ戦略。
今の共産党には久しぶりに共感する人も少なくない。
右派は、さすがにRNだけでは単独過半数280超(本土の議席は577。解散前は80ほど)は難しいから、LR共和党(中道右派)の一部との連携が必要だろう。(RNより右の極右とは組まない)
今の時点での予測としてはRN連合180、左派連合180、マクロンの中道派150などというのがあり、十分考えられる。
今のフランスでは、極左も極右も「反マクロン」層を取り込むという戦略では同じ。
マクロンのことを「死んだ天体」と評した人がいた。本体はもうとっくに消滅しているのに遠い地球から見るとまだ輝いている(けれどもう引力はない)という星だ。(レームダックよりもエレガントな表現だ)
シラク大統領が1997年に突然解散を決めて社会党に敗れてジョスパン政権になったこと、その後の2002年では政権にあった社会党のジョスパンがジャン・マリー・ル・ペンに敗れてシラクとル・ペンの一騎打ちになってシラクが圧勝したという歴史がある。
マクロンはそれを鑑みて、悪くいっても、RNのバルデラ首相の政権、そして次の大統領選ではRNが敗れる、とみているのかもしれない。でもマリーヌ・ル・ペンは父から受け継いだFR(国民戦線)のイメージを刷新して極右でないナショナリスト、というか要するにポピュリストとしてすでに広く認知されている。
だから、今回のマクロンの「賭け」は、リスクが大きすぎる、と言われる。
シラクの解散劇のことを、アパルトマンで「ガス漏れ」があるのを感知して、どこから漏れているかを確認しようとマッチに火をつけるようなものだった、と例えた人がいる。
マクロンも、ガスが充満しているフランスでマッチを擦ったのだろうか?
オリンピックが吹き飛ばなければいいけれど。