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L'art de croire             竹下節子ブログ

五輪後のパリへ

8/12、ほぼ1年ぶりに7区のグロカイユー教会の近くで所用があったので、酷暑の中、出かけた。パリ五輪の閉会式のあった翌日だ。

もともと出かけないのが、コロナ禍後さらに出不精になり、特にパリ五輪の間はTGVに乗るためにモンパルナスに行ったり、郊外の知人のうちに行くためにパリをRERで縦断したりという以外は、パリの町を歩くということはなかった。

で、いつもどおりアンヴァリッドの前の広場を横切ってサンドミニク通りに出ようとした。アンヴァリッド前も五輪の会場になっていたから、どうなっているのかと好奇心もあった。すると、いつもならメトロを出ると広がる芝生がすべて囲われている。
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しょうがないからセーヌ河の方を大回りすることに。なるほど、このーんってずっとこんな感じなんだったのだなと思う。テレビ中継だと内部しか見えないから分からなかった。
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五輪のスポンサー企業のサービスエリアも目立つ。
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アレクサンドル三世橋が見えてきた。開会式のアトラクションを思い出す。
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しつらえられていた客席が残っているのがまだ見える。手前には酷暑の中ジョギングしている人たちがいる。最終日に素人が参加できるマラソンは夜9時出発で、最後の完走者は午前3時に到着とか、信じられないけれど、こうやって走っている人たちを見ると、なるほどとも思う。開会式とは正反対の雲一つない夏空。
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アンヴァリッドのドームははるか彼方に。
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エッフェル塔も向こうに見える。
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ゴミの分別を呼びかけるゴミ箱。ONE,TWO,TRI!とある。ワンツースリーのスリーをトリ(分別すること)とかけているのだ。黄色いところには陸上競技ののレーンみたいな意匠で、3,2,1,Triez! とあり、その横には「よくやった!」とある。
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アーチェリーについての説明が通りにあった。アンヴァリッド前の広大なエスプラナードはアーチェリーの会場でもあったからだ。
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この建物は? フランス人と中国人のアスリートようこそ!と書いてある。
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中国文化センターだった。「中国中心」と書いてあるとなんだか妙な気分。
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会場へ行くいろいろなチェックポイントが残っている。
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ようやくサンドミニク通りに。振り返るといつもはそこから来るアンヴァリッドの広場が閉鎖されているのが見える。
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大回りした上あまりにも暑いので、冷房の効いている所で涼もうとスーパーに入る。
するとこの通りのスーパーの総菜コーナーにはなんとおにぎりがあった。大手のチェーン店だけれど他で見たことはない。
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このチェーンもパリ五輪のスポンサーのひとつなので五輪グッズのコーナーがあった。普段はあまり外国人、観光客の少ないエリアなのに、五輪で観光客や地方から応援に来る人たちを意識した仕様になっているところがたくさんあった。
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ようやくサン・ピエール・ド・グロカイユー教会に。
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パリ五輪を反映しているのはHoly Games ホーリーゲームスのロゴ。これはカトリック教会と関連した運動で、移民難民や貧しい家庭の子供たちらに運動のコーチをしたり競技会を主催したり、スポーツ中心の人道活動をしている。まあこの界隈では、そういう階層の人は少ないだろうけれど、教会はいつもあいてます、無料のドリンクサービスもあります、と書いてある。

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所用を終えて、ここへ来たら絶対外せないラ・フォンテーヌ・ド・マルスへ。
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私にしては珍しく魚料理。
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デザートはいつも通りババ・オ・ラム。
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すでにラムのシロップに浸っているのだけれど、半分に切ってから中にまたラム酒をかけてくれる。
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これ。
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いつもと違うのは、周りにいる客が見な英語を話していること。
やはり五輪効果で、地元の人はバカンスに出かけて、五輪見物の人たちがたくさんいるということだ。

まだパラリンピックがあるので、警察や憲兵らの姿もあるし、施設もそのままだから、オリンピックの町ってこういうものなのかと実感した。
そして何となくせつなくなったのは、やはり東京五輪だ。
五輪そのものがどうというのではなく、コロナ禍にぶつかって、一年遅れの無観客開催って、選手たちの「ホーム感」も少なかっただろうし、各国の選手たちもサポーターなしの試合だった。閉会式でパリ五輪は観客数が950万人と五輪史上最高で、デシベルも最高だったと大会委員長が言っていたが、確かに声援の騒がしさ、マルセイエーズをすぐに歌いだすなど、すごい熱気だった。
日本がどんなに「おもてなし」を準備して選手村も完璧だったとしても、関係者ではない純粋なファンや観客の「不在」という欠如は「マイナス」以上のものだったろう。2021年の夏、日本への入国制限は激しかったし、日本国内の人だって、まだマスクは絶対の圧力だったようだし、、大声をださないとか、人と人の距離をあけるとか、すべてが「祝祭」の逆だった。そんな時に、ただヴァーチャルに勝敗を追っていた開催国の日本人のことを思うと、今回のパリ五輪とのコントラストが身につまされる。競技をリアルに見ていない私が、パリの町の「観客」仕様のあれこれを見ているだけで、「空気」に包まれたことは意外でもあった。(続く)





by mariastella | 2024-08-14 00:05 | フランス
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