磁力の歴史を分かりやすくたどったこの本の二人の著者の話を聴いた。
『オカルト2.0』(創元社)でメスメリズムの変遷について一章を設けて書いたこともあって、磁気の歴史には興味があった。磁石に針を近づけると海上で方向を示すことは12世紀から知られていて、羅針盤は13世紀に発明された。16世紀には地球が大きな磁石であることが分かり、近代以降、「電磁気」という言葉が登場、さらに「地磁気」についてさまざまな観察や研究がなされてきた。
北極と南極のプラスマイナスが過去には逆でこれからも入れ替わる可能性があるというのはSF映画のテーマでもお馴染みだ。それが突如として反転するのか、2000年かけてずれていくのか、いったんゼロになり、地球の各地で局地的なプラスマイナスが登場するのか、それによるカタストロフィーはどうなるのか、というのが想像力を刺激してきた。
今回、知識としては知っていても、あらためてすごいなあ、と思ったのは、地球の「コア」の部分が流体だということだ。地球の中心部は流体で、回転して、対流、熱伝導をする。自力回転して流れを起こさないと磁場は生まれない。その「dynamo autoexcitée 」という言葉がエキサイティングでわくわくした。日本語ではどう訳すのか分からないので検索すると次のようなものが出てきた。
もちろんこのコアがこの先もずっと熱い流体であり続ける保証はなくて、例えば月のコアはすでに冷えた個体で、地球に近い金星のコアも、その流体の還流速度は地球よりゆっくりで磁力も弱いと分っている。
地球がこの「磁場」で守られていなければ、さまざまな宇宙線(高エネルギー電磁放射線)を受けて、生存不可能、破壊されてしまうことさえあり得る。
宇宙線がオゾン層を破壊して温暖化を招く、というのが話題になったこともあったけれど、やはり頼もしいのは「磁場」。
日本語で検索するとこういうのがあった。
ちまちまと節電だの節水だのに協力したり、ゴミの分別に気を使っている日常に些細なストレスを覚えることがあるけれど、足元のはるか下、この地球の奥深く、熱いコア部分が回転、対流し続けてくれているのだと思うと、頼もしいような、不思議な感動を覚える。
周りをとりまくすべてのいのちが魔法のようだ。
たかが人類が、核兵器のような小手先の黒魔術で命を破壊してほしくない、とつくづく思う。