10/16にフランスを発った時、JAL機内でみた映画は2本だけ。後はテレビのビデオ短編三つ。一人旅だといろいろな映画を楽しむけれど、仲間と一緒の時はおしゃべりも多く、少しだけに。すでに観たことのあるのも多いし、眠たくならないものがいいかなと思ってまずこれを選択。
ワンナイトサバイバルサスペンスとあり、おもしろいかなと思ったのだけれど、そして最後に真実が明かされもするのだけれど、意外に平板だったし、ふたりの登場人物のどちらにも感情移入できないので怖さも一歩ひいた感じだった。
で、気分を変えようとコメディを。この映画についてはdマガジンでさんざん読んだから新鮮味がないかなあと思っていたけれど普通におもしろかった。「売れる作家」にこういうタイプの編集者が日参するのって今もあるのだろうか。それにしても、佐藤愛子さん、今は100歳を超え、戦うヴァイタリティのすごいスーパーウーマンだ。
ビデオではタモリが紹介する「世にも奇妙な物語」の「視線」をテーマにしたものが三作あって、
「お姫さまクラブ」の鈴木保奈美のインパクトが半端ではなかった。
小林家ワンダーランドというのも、恐ろしい結末。
最後が特殊な目薬によって、人の視線が集まるように見えることへの心理の変化。
いわゆる「異色短編小説集」を読んでいるような印象だけれど、視覚の怖さが半端ではない。「お姫さま」や「王子さま」が完全にディズニー映画風であり、ワンダーランドの発想というのも、他人の視線というのも、いずけも、日本独特の先入観や行き過ぎやら病理に結びついて、たとえばフランスの番組には絶対翻案できそうもないガラパゴスの怖さがあった。