コンサートが終って東京に戻った私たちは、最後の一週間を「ツーリスト気分」で過ごすことにしていた。
鎌倉から戻った翌日に予約していたのは豊洲のチームラボ・プラネッツ。
私は村上隆と猪子寿之についてのアート論議を動画で見ていたので、アート革命と称するチームラボに関心をもっていた。
アートと一体化する、「他者と共に、身体ごと没入し、身体で認識し、身体が世界と一体化となる」というデジタル技術を駆使した空間だが、本の庭園や、ひざ下まで水につかる空間など、巨大なトリックアートのようでもある。
楽しい。レーザーや鏡を駆使して、裸足で歩かされるので自分がどこにいるかを体感しにくい。
泳いでいる鯉にぶつかると鯉が花に変身して飛び散る、という発想もすごい。いろいろな写真を撮って楽しむことが前提になっている。
昼食も、敷地内の特殊効果のレストランスペースでラーメンを食べた。
うーん、いろいろな言葉を駆使しても、アートというより、やはり村上隆はすぐれたマーケティング、猪子寿之はすぐれたアトラクションという印象。
ディズニーランド系の巨大アトラクションのインフラは必要としないから、ある意味で環境にやさしいし、巨大パークで遊んだかのような満足感を得られる。
大人でも子供でも楽しめるというのもおもしろいし、恒例の祖父母が孫を連れてきたとしても、迷子やら絶叫マシンやらなどのリスクはない。
私にとっては、連れを楽しませたい、驚かせたい、というモチヴェーションがなければ、一人でリピートしたいというものではない。
でも、ギターや荷物をかかえて、集中の連続だった一週間の後で、「浜松」でも「浜名湖」でも、「葉山」でも「鎌倉」でない「別世界」モードに移動できたので、みんな子供のように無邪気に楽しめた。
この後、モノレールをさらに乗りついで「お台場」でトリック・アート・ミュージアムに向かう。徹底的に「童心」回帰。