Q : コンスタンティヌス帝の時代以来、イスラエルの地に建てられた教会が、キリスト教アートの発展に大きな役割を果たしたのですか?
A : エルサレムの聖墳墓教会や会堂、ベツレヘムの降誕教会にあるフレスコ画やモザイク画のミニチュアが作られて巡礼者の土産となった。ヨーロッパ中に行き渡ったったそのモティーフがさまざまなテクニックで再生産されていった。ヴァティカン美術館には四世紀の見事な聖遺物入れの木の箱の裏にイエスの生涯を描かれたものがある。聖地の壁画にインスパイアされたものだろう。
Q : 新約聖書にはイエスの外見について何の描写もありません。アーティストたちは何をもとにしたのですか?
A : すでにあったレパートリーの中に求めた。キリスト教アートは無から生まれたわけではない。四世紀にはさまざまなバージョンがあった。キリストは若くて髭のない姿のものもあり、髭があり黒い長髪のものもあった。古代の哲学者のように髪がぼさぼさのものもあれば、髪から光線が出るヘリオス神や、ジュピターの姿も使われた。共通点は、キリストはいつも堂々とした王のようで、栄光に包まれてしばしば玉座に座っていることだ。
(続く)