(前の記事の続きです)
Q : 著書の中では特に、仕事からリタイアする時のことに触れていますね。
A : 退職というのは、長らく待たれた時でもあり、後の生活の不安のせいで恐れる時でもあります。特に、アーティストやスポーツ選手で、早いうちに引退しなくてはならないケースに注目しました。一つのメチエの終わりであり自分の一部に終わりを告げることだからです。人生を断ち切られるかのような衝撃を緩和するために、もっと前から別の分野での複数の生き方を並行させたり模索したりすることができると思います。一つの生き方にだけ集中していたらそれが終わる時にすべてが終わったような、小さな死を体験するような気になります。職業だけではなく、カップルや親としての人生でも同じです。
Sekko : 先日、バレエの仲間で、国立オペラ座バレエ団の定年がずっと42歳だったことが話題になった。昔の42歳と今の42歳では全く違う。今や健康であれば実感年齢は実年齢の七割などと言われている。今は、バレリーナも、法定の年齢まで雇用は保証されているので、踊り手としてリタイアしても、別のメチエを探すための研修などを行けることができるらしく、まったく別の分野に鞍替えする人もいるそうだ。オペラ座バレエ団の中で教師などの別のポストに就くのは容易ではない。
オペラ座バレエ学校のことは少し知っているが、これは昔から、寄宿制だがかなりハードな勉強を課していた。バレエ学校からバレエ団に就職できるとは限らないから、バカロレアをよい成績で出て、他の高等教育に進めるようにプログラムされている。オペラ座バレー学校に入るような子供は集中力も高く努力もできる子供たちだから、全体として知能レベルも高く、卒業してから他の道を選んでエリートになったケースも具体的に知っている。
プロのスポーツ選手はどうなんだろう。やはり努力や集中力は優れているにしても、いわゆる知能レベルの高さについては競技の種類にもよるだろう。
年齢のせいでパフォーマンスのレベルが下がってのリタイアと、怪我や故障によってのリタイアでも違うだろう。
いずれにしても極端な訓練を要するような分野に生きる人が複数の人生を準備するのは容易でないというのは分かる。(続く)