年度末のコンサートが終った数日後、トリオの3人で、パリの中華街の外れのベトナム料理が集まっている界隈にベトナム料理を食べに行った。
こうやって3人でわざわざメトロに乗ってレストランだけを目当てに出かけるなんて、昨年秋の東京でのひと時を思い出した。もう一度このメンバーで日本に行くのもありかなあと思うくらいに楽しかった。
瞳ちゃん家族が絶対お勧めの
PHO13というレストランで、先日、私とデュオでコレットを弾いた後も家族でこのレストランに行くと言っていた。とにかく最高のベトナムレストランだと強調していた。
確かに、周りの雰囲気からしてこれまで行ったことのあるベトナムレストランと違う。
Ivry大通りにはPHOの名を冠したレストランが数件あるのに、66番地には何もない。
通りに面して階段やエレベーターがあり、そこを上がると長い通路があってまるで別の町に来たようなつくりになっている。

道教の神さま? 商売繁盛と長寿。
これも旺財とあるから商売繁盛?

この僧侶の絵はとても気に入った。笑みを浮かべているかのような優しさ。


ところが、驚きなのは、その「商売気」が全くないことだ。毎日、11h30-22h30までずっと営業しているのだけれど、まるでヴェトナムの町の通りで屋台をずっと出してるような雰囲気で、給仕する人や注文を聞く人などが、ふつうの人で、いつのまにか入れ替わっている。とりわけ用の小皿を頼んだのを持ってきてくれた時など、奥へ行くついでにこちらの方を見向きもしないでほいっと投げるように置いたのには驚いた。 それは別にぞんざいだとか客に失礼だとかいう感じでなくて、はい、いつもの通りね、という自然な感じで、こちらがメルシーと言った時にはもう通り過ぎていた。閉店時間やラストオーダーというのもないから、追加はあるかなとか、もうそろそろお勘定かな、などとこちらの様子を伺っている風も全くない。
無愛想というより、自然体そのもので、こちらも脱力する。
私たちが初めての客で、ヴェトナム人でないことは明らかなのだけれど、店のほうもいつも同じ人がいる訳でないから(実際私たちがいる間に3人くらい変わった)気にしないようだ。テーブルにとりわけ用のスプーンと箸しか置いていないのも珍しい。フランスだから、たいていの中華レストランなども基本ナイフとフォークが置いてあって、箸は頼めばくれるというのが普通だからだ。
驚きと共にとても居心地がよかった。通りを歩いていて偶然入るというロケーションではないから、はい、ここはヴェトナムね、と、それだけの感じ。
11hからノンストップというレストランもフランスでは珍しいし、レストランなのに、いつでも、おやつや飲み物だけでも問題なさそうだ。
これからお気に入りになりそうだ。



