これを書いているのは8/24。
La Vie No4173, 2025/8/21号に、今のイスラエル政策がモラルの破綻に陥っているということを精神分析医のジェラール・ハダド(Gérard Haddad)が解説している記事があった。彼の精神的教師であるイスラエルの哲学者Yeshayahou Leibowitz(1903-99)の思想に依り、「憎しみ」を克服するにはユダヤを形作った価値観と、兄弟であるギリシャとアラブ文化のもとにある神話に遡る必要があるとする。彼によるとシオニズムとはユダヤの根本思想を拒否するイデオロギーなのだ。興味深いので、一問ずつ見ていくことにする。彼には『シオニズムの考古学』『裏切り礼賛―イスラエルになることについて』という著書がある。
Q : イスラエルのパレスチナ政策に対して定期的に批判していますね。 この18ヶ月の情勢をどう見ますか?
A : 私はチュニジア人でありフランス人でもあり、ユダヤ人でありアラブ人です。
2023年の10/7のハマスのテロへの報復が、何万人ものパレスチナ市民への爆撃、病院、学校、大学を爆破したことにつながって以来、何かが変わりました。イスラエルは完全なモラルの崩壊に至っています。同盟国が武器を供給し続けていることでユダヤ人すべてが追い詰められているのです。
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ハダドは、今年85歳、チュニジア出身のユダヤ人で、フランスでラカンに出会い精神分析医になった。無神論共産主義に傾いた後で、ユダヤ教に回帰、タルムードを研究する。(続く)