産業革命的な発明を考えるとイギリスが頭に浮かぶけれど、映画を発明したリュミエール兄弟とか、有人気球を発明したモンゴリフィエ兄弟とか、フランスの「兄弟発明家」というのはなかなかユニークだ。
今、気球というとトルコ旅行での色彩豊かな観光用気球を思い浮かべる。
でも確かに、飛行機の発明に先立って、人間がはじめて地上から離れるのって、有人人工衛星と同じくらい衝撃的だ。
そういえば、1961年にソ連のガガーリンがはじめて宇宙空間に飛び立って「地球は青かった」なんて言うメッセージを発したのを私はリアルで記憶している世代だが、その4年前のライカ犬のこともはっきり覚えている。
で、モンゴリフィエ兄弟(だからフランス語では今も気球のことはモンゴリフィエールと呼ばれる。)の気球実験だが、フランス革命の6年前、ヴェルサイユ宮の庭園で、ルイ16世やマリー・アントワネットの前で行われた。
最初は鶏、アヒル、羊が乗せられた。
当時から、アルプスなどの高山では酸素が薄くなることが知られていたので、上空では息ができなくなるのではという心配があったからだ。(王は死刑囚を乗せることを提案したとも言う。)
結局、8分間、3 km、460mの高度を移動した後で無事に着陸して、それから間もなく有人飛行にも成功した。(モンゴリフィエの兄は貴族に叙階された)
飛行機や人工衛星が飛び交う21世紀になっても観光用気球が人気なのはなぜか不思議だ。飛行機に乗っても空を飛んでいるという実感はない。ヴァーチャルな異次元体験も全盛の時代に、アナログで強烈な体験ができる観光気球の体験を求める人がいる。
一方で、現代のウクライナ戦争などでは無人のドローンが飛び交い、長距離を飛ぶ無人ミサイルが発射されている。私たちはそれを映像で見せられる。
私の子供の頃、「冷戦」は「冷戦」であって、宇宙進出への米ソの競争をテレビで見ていたわけだけれど、今の子供たちに見せつけられる「戦争」の映像は、果たしてどのような未来を用意しているのだろうか。