うちの家猫たちは、寝ている時以外は、私が移動すると必ずついてくる。書斎は3階にあるので階段を使うことが多く、猫たちは私が階段を降り始めたり登り始めたりする度に、さっと追い越して、行先(2階にある寝室、1階にあるリビングや音楽室など)を予想しては先に着いて待っているということが多い。
ところが先日は、ナル君が、私と同じ速度でトントンと降りていたので、あれ、意外と遅いなあ、と思ったら、突然、最後の数段を宙を舞うような速さで駆け抜けた。
それを見て私の頭の中に浮かんだのは「はやてのようだ」という日本語だった。
「はやてのように」なんていう表現は何十年も聴いたことも言ったこともない気がして意外だった。続いて、すぐに「月光仮面」の主題歌が浮かんだ。
「はやてのように現れて、はやてのように去っていく、月光仮面のおじさんは」というやつだ。
おお、なつかしい。
で、一瞬、「はやて」って何だっけ? と思ったので、PCですぐに検索したら「疾風」だとあった。ああ、なるほど、そうだった。
今は何でもすぐ検索してしまうので、自分で知識や記憶をたどる努力を放棄してしまう。
あの時のナル君の姿をフランス語でならどう言うだろうと考えたけれど、「はやて」以上にイメージにぴったりくるものはなかった。
近頃は、年のせいか、日常の単語すら咄嗟に出てこなくて「あれ、あれ」と言ってしまうことがままあるのだけれど、予測できない猫の動きを見て「はやて」などという言葉が浮上したなんておもしろい。
猫との暮らしはいつも、サプライズ。