いくら日程が決められていると言っても、美術館に行けないのは残念なので、なんとか半日を確保した。歩いて行けるふたつのうち根津美術館は入れ替え中で閉館、太田記念美術館も今一つ食指が動かず、一年半ぶりに山種美術館に行くことにした。
去年は春に行ったので、いつもながらの「桜」がテーマだったけれど、今回は日本中の景色を観ることができる贅沢なテーマだ。
絵画に残った風景について、画家自身の言葉や、「巡礼」した美術館館長や学芸員の言葉が共に綴られている。当地の写真も添えられている。時間や空間を共に旅しているイメージでとても楽しい。
撮影禁止なのが残念だが、奥田元宋の奥入瀬や松島は懐かしいし、川端龍子、横山大観もすばらしい。山口華楊の「木精」の欅の根とミミズクの絵は特に気に入った。奥村土牛の姫路城を仰ぐ構図、や鳴門の渦潮、伊都岐島(厳島)などにも感じ入った。
小松仁のの富士山を描いた「赤富士図」(1977)はまるで富士山が目覚めて活火山になって溶岩が流れているかのような迫力だ。
山口晃の「東京圖 1・0・4 輪之段」の俯瞰図はこの人らしいペダントリーも組み込まれた迫力で、地域ごとに形も色彩も違和感が出てくる不思議な魅力。クリアファイルもブックカバーも買った。
唯一写真撮影が許可されているのは速水御舟之「名樹散椿」で、枝ぶりの不思議なダイナミズムが印象的だった。



そしてこの美術館に来たら絶対見逃せない、展示品をテーマにした創作和菓子。奥入瀬の秋をイメージしたこれに決定。
まだ紅葉が見られなかったのだけれど、このひと時で、秋の日本に帰国したという満足感を得ることができた。
その他にはMomaデザインストアでフランスの友人たちにおみやげを買ったつい手に寄った展示会。

昨今のコメ不足のことを思うと感慨深い。
稲は「命の根」ってなかなか詩的だ。
あとは、クレヨンハウスが亡くなった後に、野菜と組み合わせたジェラートの店ができていたので寄ってみた。

どんどん新しい店ができるし、閉店してしまっているところ、工事中のところも多い。昔の建物を見るとほっとして入ってみたけれど同潤会の古い部分のギャラリーは全て閉まっていた。