ルーブル美術館で白昼に宝石が盗まれたのは、私の日本滞在中だった。日本では日本のニュースをリアルタイムで、フランスのニュースはリプレイで見ていたが、ルーブルの泥棒ニュースは、日本でもフランスでも同じくらいのインパクトをもって報道されていた。
白昼にクレーン車を使ってまさか、という犯行で僅か7分のスピードだったという。
驚いたのは、警備の手薄さなどではなく、件の宝石類のショーケースのガラスが2019年にカルチエ財団によってリニューアルされていたことで、以前のケースなら、切断に20分かかったのが今回のケースは3分で切断できたということだ。
いぜんのものは厚さが5cmで2019年に新しくされたものは厚さ1cmだという。
リニューアルされた理由は、以前のものは厚すぎて宝石の見え方がややかすんで緑色の光の反射がうっすらあったからだということらしい。で、新しいものは1cmの厚さでクリアに見えるが、防弾ガラスだった。
そもそもこの選択が「?」だ。
ピストルで撃ちこんでも、音がするし、複数の穴をあけたとしてもケースから宝石を取り出せない。
もし以前のものなら切るのに20分かかるのだから、警備員が駆け付けるなどの時間が十分あっただろう。
今回は3分でことをすませて、梯子の昇り降りも含めて全部で7分でOKだった。
宝石はまだ見つかっていないし、犯行の指揮者も追われていない。
ガラスの厚さ、切断のしやすさなどについて事前に分かっていた者によって計画されたものとしか思えない。
いろいろな「裏」が透けて見える。