1/20はカトリック教会で聖セバスチャンの祝日だ。セバスチャンという名のフランス人は少なくないから、ポビュラーな守護聖人でもある。
キリスト教が迫害された初期の殉教聖人の中で、セバスチャンほど日本で知名度のある人は少ない。普通、聖人の名を日本語で検索したら、独自の情報など少ないのに、セバスチャンについては豊富に出てくるので驚いた。三島由紀夫を通してセバスチャンを知った人も多いだろう。
おなじwikipwdiaをフランス語で検索したら、三島由紀夫の名もちらりと出てくる。けれども内容は別の意味でとても充実している。図像を見るだけでも興味深いのでここにリンクしておく。
セバスチャンが同性愛者の守護聖人だというのは理解できる。特にエイズが恐慌を巻き起こした1990年前後にはセバスチャンに祈る人が増えたという。
で、セバスチャンが殉教したのは彼がキリスト教徒だったからだが、キリスト教には「殺すなかれ」という戒律がある。ローマ軍の兵士になるということは「敵を殺す」という可能性が前提としてあるわけだが、当時はどうだったのだろう。
それは、兵士の属するキリスト教徒のコミュニティを管理する司教によって異なっていたらしい。ある意味で古来変わらぬ都合のよいレトリックで、すべての戦争は防衛戦争、敵を殺すのは正当防衛、みたいな考えがずっとあった。
兵士となって戦地に赴くキリスト教徒に、行ってこい、と許可する司教もあれば、行って来い、けれども3年間はコミュニティに戻れない(つまりミサにあずかれない)という司教もいたという。
「贖罪」のレトリックは時代と共に変わる。
ともあれ、セバスチャンという洗礼名を持つ人に、よい祝日を。