2/7、MEP(パリ外国宣教会)の本部に中国における聖母像についての講演を聴きに行った。展示会も観ることができるのかと思ったらまだだった。
このメインの「聖母」だが、目が吊り上がっているところがフランス人から見た「中国」のイメージと重なっているのでインパクトがあるのだろうな、と思ってしまう。

いつもきれいに手入れされている前庭。

よく見るとちらほら花が咲いていて、早春の気配もある。

久しぶりの青空も少し見えて、広々した庭がまるでお城の庭のような佇まい。ここで何度か洗礼式のパーティに招かれたりしたことも思い出す。
講演会場に行く前の廊下にいろいろな小物が展示されている。
イエス誕生のクレッシュのミニチュア。これは可愛くてすてき。

これはシンガポールの聖家族。ヨセフが家父長的でどっしり。

新生児イエスに貢物を持ってきたマダガスカルの「東方の三博士」。あるいは「三人の王」。人種を分けている。

マッチ箱のような小さなケースに納められたもの。これって迫害を恐れたキリスト教徒のものなのか、単なる「携帯用」なのだろうか。

キリスト教と関係のないインドの神々を配した工芸品。
同じくインドの「生命の木」。宣教師たちはエデンの園の木のイメージを重ねたのだろうか。
展覧会前で実物は見れなかったのだが、カタログにいろいろな写真があり、スライドでも紹介された。
この観音像は魚を入れた籠を持っていて、魚はイエスのシンボルのひとつだから、聖母子の含意があるらしい。
講演の内容そのものは、いろいろつっこみどころがあり、質問する気もしなかった。講師が美術史の専門となっていて、中国に10年滞在した後でフランスに戻って学位をとった、ということで、宗教史や東洋史の専門家ではない。
いろいろな国で歴史や宗教や社会と関わってきたMEPの宣教師による講演はいつも教えられること、発見することが多いのだけれど、中国の観音像の紹介以外は教科書的な話だった。(6世紀にシルクロードからネストリウス派が伝わって13世紀に回路でフランシスコ会士が聖母子像を広めたとか)
私は日本人だからもちろん、中国を経由したキリスト教がどのように日本に伝播したとか、いわゆる「マリア観音」の歴史も結構調べてきた。でも、ここで「観音像」と聖母像を重ねるのは、本来「聖別」のない観音菩薩が「女性化」したのはキリスト教の聖母像の影響があったから、というくくりになっている。講師や講師の恩師(博士論文の審査官)らがちらりと「日本」、「島原」やら「長崎」という言葉を発すると、その辺はMEPとの縁も深いので、会場の空気が一瞬盛り上がっていた。
日本にキリスト教を始めて伝えた宣教師が大名にまず聖母子像を見せてすぐに共感を与えたことは有名だ。異なる文化圏でも、磔刑像より聖母子像の方が確実に共感を与えるというのは宣教師でなくても想像できる。
観音像と聖母像、またあらためて考えてみたい。
前にこういう記事もあった。なかなかおもしろい。