何かというと「西洋の一員」としてふるまう日本。
黒船来航で驚いて、あわてて「西洋」を視察、「和魂洋才」を掲げて、すでに反植民地化されていた他のアジア諸国が思いつかなかった「近代化」を成し遂げた。
それでも、軍部台頭によって大国アメリカに無謀な戦線布告をして、核兵器の実験場にされて無条件降伏、アメリカに占領されて「戦争放棄」「民主化」を受け入れ、朝鮮戦争の特需などで経済の繁栄を達成した。
冷戦下の世界ではすっかり「西側の経済大国」としてふるまってきたが、冷戦が「熱くならないまま」終了すると、国境のない新自由主義経済、終わらない成長というユートピアで、「勘違い」を深化させ、北朝鮮、中国、ロシアと近接する地政学条件を軽視してきた。気がつくと、日本を「守ってくれる」アメリカは、アメリカの武器を買って自立しろなどという路線を露骨に出してきている。
それでも、G7の一員、ロシアも締め出された西洋民主主義国の仲間だというが、労働生産性はG7で最下位となり、さらに、G7そのものが、中国、インド、アラブ諸国などを前に存在感を失いつつある。
そもそも日本では「戦後民主主義」の手本であるかのように見られてきたアメリカの特殊性が意識されていない。アングロサクソン民族が先住民族を追いやって、アフリカから「輸入」した黒人奴隷を使って「開拓」してきた国であり、彼らにとっての文明は「西洋」なのだ。
2026/2/14、ミュンヘンで開かれた安全保障会議で、アメリカから参加したマルコ・ルビオ国務長官がグローバリズムについて演説した。
安全保障で、我々は何を守っているのか、それは偉大なる西洋文明だ、というのだ。
西洋文明、西洋文化の代表として彼が羅列したのは、ベートーヴェン、モーツアルト、ダンテ、シェイクスピア、ミケランジェロ、ビートルズ、ローリングストーンズ、ミケランジェロ、システィナ礼拝堂、ケルンの大聖堂であり、偉大さという神への信仰に基づく西洋を、霊的にも文化的にも守らなければならない、と言う。
だからこそ、その西洋文明を共有しない人間が「西洋」にどのように、何人入って来るのかを監視しなくてはならないというわけだ。
こういう発言が「西洋キリスト教文化圏」でない国の人間の耳に入らないとでも思っているのだろうか。
マルコ・ルビオはキューバにルーツがあるというのも興味深いところだ。
カトリック家庭に生まれ、モルモン教でも洗礼を受け、その後プロテスタントのバプテスト(キング牧師のイメージ)を経て、カトリックに戻った。
トランプのもう一人の側近の副大統領JDヴァンスもプロテスタントからカトリックに改宗した人だ。
こんな二人をトランプ側近に抱えるアメリカ出身のローマ教皇の反応を次に見てみよう。
# 付け加えておくと、このルビオの「西洋キリスト教文化圏」発言は、フランスの保守からは叩かれている。「西洋、オクシデント」としてアメリカとまとめてほしくない。彼の挙げた文明は全てヨーロッパのものだ。200語しか語彙のないトランプのような輩と一緒にしてくれるな、というものだ。この反応はある意味で当たっている。キリスト教文明としてのヨーロッパは見方によってはもうすでに終わっているからだ。
今でも大統領が聖書に手を置いて就任するようなアメリカ、「新大陸」の征服者アメリカが、それでも「西洋」(トランプはの本音は「西半球」だろうが)を強調するのはヨーロッパにはまだ日本のような「使い道」があると見なしているからだろうか。
(でも、日本に使い道があるとしても、「西洋文明」から完全に無視されているのも事実だ。外交的配慮はゼロだ。)