核なき世界はもはや非現実? 高野義浩さんの考えをメモトランプによるイランへの爆撃が始まってから、新たに核兵器のことを考える。 国連の安保理自国の持つ核兵器はよくて、それ他に拡散させないというご都合主義も有名無実となりつつあるが、特にイランのそれは国際法を無視する先制攻撃で阻止してももOKというのは、イランはテロの支援国だから、テロリストが核兵器を持てば、世界の終わりにつながる、という理屈だ。 私は秋葉忠利さんが説く核兵器のない世界の構想をずっと支持しているけれど、こうもテクノロジーが進んだら、非核化の現実感が失われつつある。 秋葉さんの第一目標である「核の先制攻撃を行わない」が、中途目標というより究極の課題になりつつあるということだろう。 高山義浩さんのfacebook( 3/6)にあったこの言葉に同意する。(下線は私)
>>トランプ大統領は、2025年6月の対イラン航空作戦を経て「核施設は修復不能な打撃を受けた」と断言していました。しかし現実には、山中深くの堅牢な中枢部を完全に破壊するには至っていなかったことが露呈しています。 あの攻撃のあと、イランは即座に遠心分離機の再設置と施設復旧に着手。米情報当局が「イランは数カ月以内に核武装を達成し得る」との衝撃的な報告(2026年2月)を出したことが、今回の先制攻撃へと繋がりました。 ここで議論の本質となるのが、「軍事攻撃によってイランの核への野望を挫けるのか」という点です。短期的には「Yes」であっても、中長期的には「No」であるというのが、多くの専門家の共通見解だと思います。 軍事攻撃で破壊できるのは、遠心分離機や精錬施設といった「物理的なハードウェア」に過ぎません。すでに「開発に向けた知識」を有する国にとって、機材の再調達は時間の問題です。むしろ攻撃を受けることは、その国にとって「核こそが唯一の生存保障である」という確信を深める結果を招きます。2025年の攻撃からわずか半年で開発が加速した事実は、皮肉にも「武力行使が開発ブースター」となった証左です。 イランは総人口で1億人近くを抱え、豊富な石油資源を擁する中東の大国です。たとえ武力で現体制を揺さぶったとしても、核さえあれば手出しされなくなるという教訓のもと、次なる政権も開発に挑むでしょう。そこへ、石油資源や通常兵器を求めるロシアや中国といった大国が、間接的な支援として介在します。中世以前のように国そのものを滅ぼすような戦争をしない限り、武力によって核開発は止められないのです。 さらに都合の悪いことに、いまAIが飛躍的に発展しています。ちなみに添付の表は、私がGeminiに問いかけた「AI普及は核拡散にどのような影響があるか?」への答え。まあ、そうですよね。 AIは核開発の「期間短縮」と「技術的障壁の低下」を招く加速器となります。オープンソースAIの普及により、膨大な学術情報の集約や高度なシミュレーションが可能となり、実地実験を最小限に抑えた「隠蔽型の開発」が容易になりました。これは、物理的な資材移動の監視に重点を置いてきた従来の核不拡散体制(NPT)を、根底から無力化しつつあります。 私たちは、「核のない世界」が現実には困難となったことを認めるべきです。「核のない世界」を目指すこと自体は理念的には正しいですが、実際には、核を手に入れた国が手放すことはありません。世界に1万発以上存在する核兵器を1000発に減らせたとしても、そこに人類生存上の意義はほとんどありません。 私たちが向き合うべきは、「核ある世界において、いかに核を使わせないか」という国際ガバナンスです。また、サーモバリック(真空爆弾)のような大量殺戮兵器も進化しており、ドローン兵器のように大量小型化と無差別化が進む現代において、「核」だけを切り離した理想主義はもはや説得力を欠いています。 必要なことは、できる限り「戦争という選択肢を排除」すること。とりわけ、「先制攻撃は行わないという合意」です。それこそが核を使わせないための現実的な第一歩であり、中東で繰り返される悪循環と怨念の蓄積を回避し、外交的解決という人類の経験値を積む道だと私は考えています。<<<
by mariastella
| 2026-03-11 00:05
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