フランス中の市役所に飾られる
マクロン新大統領の公式写真がネット上で公開された。
ネットで公開というところがすでに「新しい」。
その写真は背後の窓を開けた執務机に腰掛けるようなスタイルでそれも新しい。
その机の上にいつも使っている二つのスマートフォンを重ねておいてあるのも今風。
彼が自分でそれを机の上にレイアウトしている様子のビデオも公開されている。
そのビデオには、机の上に広げたドゴール将軍の『戦争回想録』の分厚い本のどのページを広げるかをマクロンが選んでいる様子も見える。
どのページだったのか知りたい。
ドゴール将軍の本の反対側にはスタンダールの『赤と黒』、アンドレ・ジッドの『地の糧』の2札が重ねられている。うーん、このチョイスもなかなか意味深だ。
『赤と黒』のジュリアン・ソレルがナポレオンを崇拝していたことも想起される。
本棚の前での大統領肖像写真というのも定番だったころもあるけれど、多くの本ではなくてこうして選択されているとメッセージ性がある。
ジッドの『地の糧』は一つの詩の世界でもある。
サンシュエルなテーマが私の好みだけれど、マクロンのイメージと重ねると、
Ose devenir ce que tu es. Ne te tiens pas quitte à bon compte. Il y a d'admirables possibilités dans chaque être. Persuade-toi de ta force et de ta jeunesse. Sache te redire sans cesse : il ne tient qu'à moi.
という箇所などぴったりだろう。
すべての人には感嘆すべき可能性がある、君の力と若さとを信じたまえ、
みたいな感じだ。
エリゼ宮の庭の木立がなすV字型とマクロンの両腕のなす逆V字型の交わるところに青い視線がくるように計算されている。
両手の薬指に指輪がある。
ヨーロッパ旗と三色旗を配したのもマクロンらしい。